下水道ストックマネジメント支援制度における
マンホールふたの取扱い

平成28年4月に創設された「下水道ストックマネジメント支援制度」では、下水道施設全体を対象とし、20年~30年の長期にわたりどのように維持管理をしていくかがポイントになります。

  • 1.マンホールふたの情報収集・整理~リスク評価
    ① マンホールふたタイプ変遷表の作成~必要情報の収集
    マンホールふたについては、下水道台帳に属性情報がないことから、ストックマネジメントに取り組もうとした際に「どこ」に「どんなふた」が「いくつ」あるのかが分からずに事業を進めていくという課題に直面することが想定されます。
    そこで、ストックマネジメントの取り掛かりとして「マンホールふたタイプ変遷表の作成」と、その「変遷表を活用した全体把握」が有効となります。
    マンホールふたは、時代とともに性能や機能を進化させてきたことから、ふた表面とふた裏の写真を見れば、その保有性能や機能、支持構造、設置時期などが概ね把握できるという特徴がございます。
    設置されている代表的なタイプを古い順に整理し、国が求めている広義の安全対策8項目と照らし合わせ、充当度を整理したものが、「マンホールふたタイプ変遷表」です。
    変遷表を活用して、下水道台帳の管渠やマンホールの築造年数と照らし合わることや、簡単な現地踏査をすることにより、短期間での全体把握が可能となります。 ②タイプ分布図~リスク評価
    マンホールふたタイプ変遷表を活用し全体把握した内容のアウトプットの一例がタイプ分布図であり、浸水常襲区域や、地震対策エリア、交通量などの要素を重ねてリスク評価を行い、設置環境と経過年数による優先順位をつけると効率的に維持管理を行うことができます。
    ※社会資本整備総合交付金要綱の7-1-3-②「維持管理・改築の検討に必要な施設の諸元整理」で交付対象になります。

  • 2.マンホールふたの管理区分設定
    ストックマネジメントにおけるマンホールふたは、タイプや設置環境に応じて「状態監視保全」「時間計画保全」
    「事後保全」の3つの管理区分に設定します。
    管路施設は損傷劣化が確認できることから、状態監視保全が基本といわれておりますが、マンホールふたに
    ついてはリスク評価に応じて時間計画保全に位置付けて改築することもできます。
    ① 状態監視保全
    状態監視保全施設に設置された管渠やマンホールの点検・調査とあわせて効率的にマンホールふたも点検を行い、診断判定に基づいて改築を実施します。この時点でストックマネジメント計画に記載されたものについては、点検と改築が交付対象になります。
    ② 時間計画保全
    古いタイプのマンホールふたの中には、コンクリート製で強度不足のものや、がたつき防止機能のない平受け支持構造のもの、浮上飛散防止性能を保有していないものなど、機能面で陳腐化しているものが多くあり、非常に高いリスクをはらんでいます。そこで、リスク評価に応じて、時間計画保全に位置付けた場合は、標準耐用年数を参考に目標耐用年数を設定し、点検を行わずに改築することが可能です。

  • ≪参考≫
    【平成28年度下水道用設計標準歩掛表の改訂について】
    長寿命化支援制度からストックマネジメント支援制度への移行に併せて、下水道請負工事積算の適正化と積算業務の効率化を目的として下水道の設計・積算の基準を示した「下水道用設計標準歩掛表」が改訂され、管渠に加えた対象施設の割増率が適正なものとなりました。
    下表の通り、管渠に加えて「マンホール」「取付管・ます」「マンホールふた」それぞれを1施設として割増しすることができます。