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マンホール蓋の規格・性能

マンホール蓋の規格・性能

[更新]下水道協会規格 JSWAS G-4

JSWAS G-4規格 制定~改正の流れ

公益社団法人日本下水道協会が定める【下水道用鋳鉄製マンホール蓋 JSWAS G-4】は平成9年に規格が制定され、
耐荷重、がたつき防止、転落防止、浮上・飛散防止などの見直しから平成17年に改正されました。
さらに「マンホール蓋調達の今後の方向(案)」(平成18年)を受け、機能の数値化、試験方法の確立、種類・呼びの明確化、互換性の確保及び規格適合製品の明示等について見直しが望まれるようになり、平成21年に性能の区分化、圧力解放耐揚圧性の数値化と蓋浮上時の車両走行試験について新たに定められました。
その後、下水道法改正(平成27年)で、管渠のうち、腐食するおそれの大きい箇所においては機能維持のための点検や清掃が義務化されたことにより、マンホール蓋においても防食性が望まれるようになり、令和5年5月に防食性能が追加されました。

種類

蓋と枠は右図の種類と規定されています。また、規格には以下の注意点も記載されています。

 

 

①腐食環境に設置する場合、防食性能を付加することができる。
②転落防止装置を取り付けることができる。
③900-600は親子式(2枚蓋)の蓋を示し、子蓋には呼び600の蓋を使用する。また、子蓋には、転落防止装置を取り付けることができる。

主な規定内容①:荷重強さ

蓋と枠は、規定する荷重たわみ試験並びに耐荷重試験を行った場合、以下に示す基準値を満たす必要があると規定されています。


※使用区分は日本グラウンドマンホール工業会の推奨案

T-25使用 T-14使用

主な規定内容②:がたつき防止性能

蓋と枠の支持構造は、接触面を機械加工した急こう配受けとし、外部荷重に対し、がたつきを防止できる性能が[6.1-蓋と枠の支持構造及び性能]で規定されています。

主な規定内容③:不法開放防止

蓋は、所定の専用工具以外で、容易に開放されないよう、錠を備えた構造とすることが[6.2-蓋と枠の連結構造及び性能]で規定されています。

主な規定内容④:圧力解放耐揚圧性能

蓋は、マンホール内の圧力により、20mm以下の高さに浮上して圧力を解放し、浮上状態においても車両通行により解錠しないこと、及び内圧低下後には、蓋が枠に納まる構造とすることが[6.2-蓋と枠の連結構造及び性能]で規定されています。


附属書1:転落防止装置

下水道用マンホール蓋の呼び600で、マンホール内への人の転落を防止するために、枠に取り付ける転落防止装置について規定されています。

注.
基本性能:基本的に蓋と枠が有すべき性能
不可性能:下水道事業者が地域事情に応じて選択することが出来る性能

附属書2:防食性能

[附属書2]では、マンホール蓋の防食性能を規定しています。その試験方法は「下水道コンクリート構造物の腐食性能技術及び防食技術マニュアル」等に準じ、防食表面処理を行ったマンホール蓋と同一材質の供試体をpH1の硫酸水溶液に浸漬させる方法を採用しています([附属書2]における防食性能試験)。

  1. 試験方法と評価方法
  2. [附属書2]における防食性能試験・評価

    1. ※浸漬方法(JSWAS G-4 P13図-9[浸漬試験方法]より抜粋)

参考資料4:使用環境を想定した防食性能試験(参考)

[参考資料4]では、マンホール蓋の開閉作業で塗膜に傷が生じることを想定し、塗膜に傷を付けた状態でも防食性能を評価する必要があるとして、傷付けた供試体をpH3の硫酸水溶液に浸漬させる試験(使用環境を想定した試験)も規定されています。

  1. 試験方法と評価方法
  2. [使用環境を想定した試験]における供試体への傷付け方法(参考資料)
    傷を生じさせる方法は統一した試験治具を用い、万力によってネジを回し、供試体を移動させながら井桁状の傷を付けます。

    試験治具 供試体のスライド 傷を付けた供試体
  3. pH3硫酸水溶液への浸漬の結果(例)

    注.
    犠牲防食:母材の鉄よりも酸化しやすい金属(アルミ:Al、亜鉛:Zn 等)が優先して溶け出すことで、鉄の腐食を抑制する表面処理
    樹脂コーティング:母材の鉄に対して、密着性が高い樹脂塗膜をコーティングすることで、鉄の腐食を抑制する表面処理
  4. 比色法による鉄イオン量の測定(例)
    一般塗装に比べ、防食表面処理は2倍以上の防食性能を有していることが確認された。

    ※サンプルデータ(事例)のため、各防食表面処理の優劣を示すものではありません。

防食性能に関するより詳細な記事はこちら
JSWAS G-4 防食性能(2023年5月改定)のポイント)